新型コロナウイルスの流行により、各自治体にて無料でPCR検査や抗原検査が受けられるようになりました。
無症状の方でも受けられ、早期に発見できる利点がありますが、さまざまな問題もあります。
今回は無料PCR検査が導入された経緯や、検査場を増やす問題点について触れていきます。
目次
PCR検査が導入された経緯
新型コロナウイルスの感染が広がったことをきっかけに、2021年11月19日の閣議決定で、検査を実施する事業者に対して、無料で検査できるように支援することを決めました。
検査により、普段の生活や社会活動での感染するリスクを抑えるとともに、感染者の早期発見にもなります。
検査事業には「ワクチン・検査パッケージ等定着促進事業」と「感染拡大傾向時の一般検査事業」の2種類があります。
前者は健康上の理由でワクチン接種ができない方が、社会経済活動のために行う検査を無料としています。
後者は感染拡大が予想される場合に、各都道府県が判断し、ワクチンの接種の有無を問わず感染への不安がある無症状の方に検査を行う事業です。
主に薬局、ワクチン・検査パッケージの事業所の店舗や拠点で検査が受けられます。
お盆では帰省により人の移動が活発になる点から、期間限定で臨時検査場を開設した所もありますね。
無料PCR検査事業実施にあたっての問題とは
早期に感染者の方を見つけることができ、感染拡大を抑えられる反面、さまざまな問題もあります。
事務経費支給による問題
国は検査を行う事業者に対して、キットの購入費用や人件費など、検査に必要な費用を補償しております。
人件費や販売管理費用の事務経費は、検査1件につき税込3,000円が一律支給されますが、支給されたお金の用途の領収書は提出する必要がありません。
一部の無料検査場では、検査を受けられた方に商品券やギフトカードをお渡ししているところがあるようです。
国からの事務経費を多くもらうために、事業者が検査をした方へ金券を渡しているとなれば大きな問題でしょう。
保険金目的で検査する方が増加する危険性
検査される方の目的としては、自身の体調の不安を解消したいというのがほとんどでしょう。
近年、コロナ保険金をもらいたいためにPCR検査を希望する声が増えております。
コロナ保険金とは月数百円〜数千円の保険料を支払い、もしPCR検査で陽性と判断された場合は保険会社から保険金が支払われる内容です。
保険料の安さや高額な保険金にひかれて、無症状でも保険金だけもらえるのであれば、お得感があると考えるようです。
外国でも保険金目当てで意図的にコロナに感染し、感染が拡大してしまった事例があります。
無料PCR検査場を増やすことで、気軽に検査ができてしまうため、コロナ感染しても大丈夫と気が緩み、感染対策がおろそかになってしまう可能性があるでしょう。
無料PCR検査をすることで反対に感染拡大する可能性
濃厚接触者が無料PCR検査場で陽性となっても、厚生労働者ならびに保健所で陽性者としてコロナ陽性者として認識されません。
したがって、陽性の場合は医療機関へ受診することになっています。
感染者と同居している方や感染者の飛沫に触れている方などの濃厚接触者の疑いがある人は「発熱・相談センター」へ相談するようにというのが基本的な行動指針です。
しかし、発熱・相談センターに相談せず、無料PCR検査場で検査を受けようとする方がいらっしゃいます。
さらに、PCR検査で陰性と判定されても、結果に納得いかず、他のPCR検査場で何度も検査してもらい、陽性と判定された後に病院へと受診された例もあります。
このように、濃厚接触者の可能性が高い人が無料PCR検査場で検査を受けることによって、かえって感染が拡大してしまう恐れがあるでしょう。
まとめ
無料PCR検査場は感染者の早期発見・早期治療へつながるメリットがあります。
しかし、補償金の不正利用や保険金目的で検査される方が増加する可能性があるなどさまざまな問題点があげられるでしょう。
国としてはこのような問題点に対して、どのような対策をするべきかが今後の課題となりそうですね。
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