子どもの頃、放課後や休日に夢中で本を読んでいた記憶がある人は少なくないでしょう。物語の世界に没頭し、気がつけば夕方になっていた…そんな経験を持つ方も多いはずです。
しかし、大人になると「読みたい本はたくさんあるのに、なかなか時間が取れない」と感じる人が増えていきます。
なぜ大人になると本を読む時間が無くなるのでしょうか。その理由を掘り下げてみます。
三宅香帆さんの親書「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」はこちら↓
目次
仕事や家事などの生活優先事項が増える
大人になると、まず生活のために働くことが必要になります。平日は朝から晩まで仕事に追われ、帰宅後は食事、家事、子育てなどに時間を費やすことも多いでしょう。

特にフルタイムで働く人や家庭を持つ人は、自分の自由な時間を確保するだけでも一苦労です。
本を読むには、ある程度まとまった時間と静かな環境が必要ですが、仕事や家事で疲れた後に「集中して読書をする」気力が残っていないことも珍しくありません。
その結果、本を開いても数ページで眠ってしまう…という経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
スマートフォンや動画など「短時間で満足できる娯楽」が増えた
昔は、活字に触れることが娯楽の中心でした。ところが現代では、スマートフォンを開けばSNSや動画配信サービス、ゲームなど多種多様なコンテンツが待っています。
これらは短時間で手軽に楽しめ、しかも強い刺激を与えてくれます。
一方、本はある程度の集中力と時間を必要とし、物語や知識をゆっくり味わう性質があります。現代人の生活では「隙間時間で手軽に楽しめるコンテンツ」の方が優先されやすく、本を開く機会が自然と減ってしまうのです。
心の余裕の欠如
本を読むという行為は、単なる「時間の確保」だけでなく「精神的な余裕」も必要です。
仕事や人間関係、将来の不安に追われる大人は、なかなか心を落ち着けて活字の世界に浸ることができません。
特にビジネスパーソンの場合、毎日多くの情報を処理し続けているため、脳は常に疲労しています。そんな状態では新しい知識を吸収したり、物語を楽しんだりするよりも、ただ休みたい・ぼーっとしたいと感じる方が自然です。
結果として、読書よりも「何も考えずに観られる動画」などに流れてしまうのです。
読書の優先順位が下がってしまう
大人になると、読書以外にもやりたいことややらなければならないことが増えます。趣味、旅行、運動、友人との交流、自己啓発、資格勉強など、選択肢は無限にあります。
限られた時間の中で、読書はつい後回しにされがちです。
特に「読まなくても生活に支障がない」と感じてしまうと、ますます読書から遠ざかります。子どもの頃は「本を読むことが楽しい時間」だったのに、大人になると「優先順位の低い娯楽」に変わってしまうのです。
それでも読書時間を作るには?
どうすれば大人になっても本を読む時間を確保できるのでしょうか。ポイントは「読書のハードルを下げること」です。
- 毎日5分だけでも読む
- ベッドやリビングなど手に取りやすい場所に本を置く
- 電子書籍を使って通勤時間に読む
- 読みやすい短編やエッセイから始める
読書は一度習慣化すると、再び「心の栄養」として大きな価値をもたらしてくれます。大人になった今だからこそ、改めて本を開く時間を作ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
大人が本を読む時間を失う理由は、仕事や家事による時間不足、スマホや動画などの手軽な娯楽の台頭、心の余裕の欠如、そして優先順位の低下にあります。
しかし、ほんの少し意識を変えるだけで、読書は再び人生を豊かにする習慣になり得ます。
コメントを残す